たまには映画のはなし
我が家には小さな庭があるのですが、この季節、低い場所に茂った蛇いちごが実をたくさんつけています。朝ベランダに出ると赤い実が朝露できらきらしていてなかなか良い眺めです。どくだみも混在しているのでこれをいかに駆逐するかが悩ましいのですが。
さて先日、本を借りにでかけたら、福岡市総合図書館内にある映像ホール・シネラにおいて6月、ポルトガル映画特集が行われることを知りました。もちろん、マノエル・ド・オリヴェイラも「神曲」をはじめとして五本上映です。先日は台湾映画特集で侯孝賢も上映していましたし、なんという好みの良さかと歓喜しております。いっぽうでシネテリエやらシネリーブルが無くなっているわけですが。とはいえ、「ポンヌフの恋人たち」が19年ぶりにKBCシネマ北天神で再上映されています。初公開時はシネテリエ天神でした。ちょうどその年だったか、ヴェンダースの「夢の涯てまでも」も公開され(こっちはKBCシネマだったはず)、同じく盲目を主題とした映画でありながら視覚に訴えかけるばかりの映画だったので、笠智衆を出すだけなら山田洋次でもできる、などと言って友人とこき下ろしたことを思い出します。別にヴェンダースが嫌いな訳でもないのですが。近作だと”Don’t Come Knocking”は素晴らしかった。冒頭の、馬から降りていくその過程の描写を見るだけでも楽しい映画です。で、その時褒めてた(というか「汚れた血」がユーロスペースで再映された際、一日に四度、ずっと繰り返して見ていました。それ程に好きだったのです)当のカラックスもその後は鳴かず飛ばずだし(PolaXやTOKYO!での残念感といったらなかった)、いつの間にか撮影監督のジャン=イブ・エスコフィエもとうの昔に亡くなっており、さみしいかぎり。とはいえソラリアシネマではゴダールの「ソシアリスム」も(正直、総体としてはハズレだと思うけれど)公開中、福岡のような地方都市でもまだまだ見たい映画は山ほどあります。ロメールやトリュフォーの撮影監督として知られるネストール・アルメンドロスも言っているように、「忘れてはならないのは、観客が切符を買うたびに、その人はある意味で、窓口で一票を投じている」のです。死に票を投じることになるのを予測しつつも選挙に行くのと同じように、くだらない映画もくだらなくない映画でもいいから、損しまいと小知恵を働かせてネットでちまちまレビューを調べる前に、一票を投じに映画館に行こう!





